直帰率と離脱率の違いは?直帰率の業界別目安は?
Googleアナリティクスでアクセス解析をする上で、非常に重要な指標でありながら、解釈が難しいものの一つが、直帰率と離脱率。
そもそも、直帰率と離脱率は何が違うのか?
Googleアナリティクス上でどのレポートを見れば確認できるのか?
どのくらいの数字が適正なのか?
などなど、疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
そんな直帰率と離脱率について、その定義と解釈の仕方を解説するとともに、業界・業種・サイトの種類によって大きく異なる直帰率・離脱率の平均的な数値についてご紹介します。
さらに、Googleアナリティクス上で直帰率・離脱率の数値を確認する方法についても解説します。
ウェブサイトの現状を把握する上で、直帰率・離脱率の意味と、目安となる数値を知っておくことは非常に大切ですので、この記事を参考に、直帰率・離脱率についての理解を深めていってください。
直帰率・離脱率は?指標の定義と違い
直帰率・離脱率は、指標の名前こそ似ていますが、定義が全く異なる指標です。
そのため、2つの違いをよく理解しておくことが、ウェブサイトの改善のためには必須となってきます。
直帰率とは
直帰率とは、「ウェブサイトに訪問した全セッションのうち、ランディングページで次のアクションを何も起こさずにウェブサイトから離脱したセッションの割合」です。
このようなセッションのことを、「直帰したセッション」とも呼びます。
ここでいう「次のアクション」とは、「他のページへの遷移(リンクのクリック)」が代表例となりますが、「動画の再生」「ファイルのダウンロード」などのイベントも含まれます。
以下に、直帰したセッションと、直帰ではないセッションの具体例を記載します。
- 検索経由でページAを閲覧し、ページAで何もクリックせず、ブラウザバックしたセッション……直帰したセッション
- 検索経由でページAを閲覧し、ページBに移動したあと、ブラウザを閉じたセッション……直帰ではないセッション
- 広告経由でページAを閲覧し、ページAでボタンをクリックしてファイルをダウンロードした後、ブラウザバックしたセッション……直帰ではないセッション
離脱率とは
離脱率とは、「特定のページの総PV数のうち、そのページでユーザーがウェブサイトから離脱した回数の割合」です。
直帰率と大きく違う点としては、「直帰率はセッション単位で計算されるが、離脱率はページ単位」ということが挙げられます。
「ウェブサイトから離脱した回数」の割合ですから、セッション単位で計算してしまうと、最終的には全てのセッションが離脱としてカウントされて、離脱率が100%となってしまいますので、当然と言えば当然ですね。
以下に、3セッション発生したと仮定したときの離脱率の計算の具体例を記載します。
- 検索経由でページAを閲覧し、ページBに移動してからウェブサイトを離脱したセッション
- 広告経由でページAを閲覧し、ブラウザバックしたセッション
- 検索経由でページCを閲覧し、ページBに移動してからウェブサイトを離脱したセッション
このとき、各ページの離脱率は以下の通りです。
- ページA……離脱率50% (離脱1回) / PV2 = 0.5
- ページB……離脱率100% (離脱2回) / PV2 = 1
- ページC……離脱率0% (離脱0回) / PV1 = 0
直帰率と離脱率の違い
直帰率と離脱率の大きな違いは、上記の通り、セッション単位かページ単位かという計算方法にあります。
直帰率が計算されるのはセッションの最初に閲覧したページだけですが、
離脱率はページごとに計算されます。
その性質の違いから、解釈の仕方にも違いが出てきます。
例えば、直帰率が最も重要となってくるのは、ランディングページとして用意されているページです。
ランディングページは、ウェブサイトを訪問したユーザーをキャッチして、次の行動を促すという役割を持っていますので、ランディングページの直帰率が高いのは非常に良くない状態です。
これは、業種やサイト種別に関わらずどんなウェブサイトにも言えることです。
反対に離脱率は、低い方が望ましくはありますが、どんなユーザーもいずれはウェブサイトから離脱しますので、全てのページで離脱率を低くするということは不可能です。
例えばECサイトであれば、商品を買ってもらうことが目的ですから、商品ページはもちろん、カートページの離脱率が高いというのは絶対に避けたい状態です。
しかし、購入完了ページの離脱率が高いのは、ユーザーが商品の購入という目的を果たした後ですので、離脱率が高くなるのは当然で、ここの離脱率が高いからと言って離脱率を下げることに注力するのはあまり合理的とは言えません。
直帰率と離脱率を見るは、数字だけを見て判断するのではなく、ユーザーの行動を思い描いて、本当に割合を下げるべきなのかを考えるようにしましょう。
業界・業種・サイト種類ごとの直帰率の目安となる平均値
直帰率は、業界・業種・サイトの種類によって大きく上下するので、一律に〇〇%以下が望ましいという基準を引くことはできません。
ここでは、業界・業種・サイト種類ごとの直帰率の平均値を紹介しますので、この数字を目安として、平均値を大きく上回っているということがあれば、改善を図っていきましょう。
業界・業種ごとの直帰率の平均値
業界・業種ごとの直帰率の平均値は、以下の通りであることが調査でわかっています。
- 金融サービス 53%
- 病院・ヘルスケア 96%
- 医療機器・医薬品 33%
- 不動産 47%
- コンピューターソフトウェア 76%
- ヘルス・フィットネス関連 63%
- ITおよび関連サービス 21%
- 経営コンサルティング 49%
(出典:BRAFTON 2017 CONTENT MARKETING BENCHMARK REPORT)
金融や医療関係、不動産など、一般に情報収集にかける時間が長いと言われる業界は、サイト内をじっくりと見て回る人が多いのか、直帰率が低めになる傾向にあるようです。
直帰率の平均値が最も低い金融サービスは53%、最も高い経営コンサルティングは67.5%と、実に14.5%もの開きがあります。
ウェブサイトの種類ごとの直帰率の平均値
直帰率は業界・業種によっても大きく変動することがわかりましたが、それ以上に直帰率に大きな影響を与えるのが、ウェブサイトの種類です。
ウェブサイトの種類ごとの直帰率の平均値についても調査があり、その結果が以下です。
(出典:https://conversionxl.com/guides/bounce-rate/benchmarks/)
ECサイトは、数多くの商品ページを閲覧したり、購入画面に進んだりと、ページの遷移が多くなりやすいウェブサイトですので、直帰率は低いところでは20%ほどまで下がります。
反対に、ブログやメディアサイトの場合は、検索から偶然記事を見つけてウェブサイトに訪問し、記事の内容を読んで、自分の求めていた情報と違ったという理由ですぐに直帰してしまう場合もあれば、記事の内容を全て読み、十分に満足して直帰するという場合もあります。
そのため、直帰率は高い場合で90%にも上ることが少なくありません。
記事の内容に満足して直帰する、という場合は、ユーザーのニーズは満たせているのでどちらかというと良い直帰ではあるのですが、とはいえウェブサイトを運営する側としてはたくさんのページを閲覧してほしいと考えるのが普通でしょうから、記事の途中や最後に他の記事へのリンクを挿入し、回遊を促す施策を打つ必要があります。
運営しているウェブサイトの直帰率が高いのか低いのかを考える際には、業界・業種で考えるよりも、このようなウェブサイトの種類ごとの平均値と比較して考えた方が、より実態に近く、改善のための具体的な施策にも繋げやすいでしょう。